NRWSとは

ようこそ、神経放射線ワークショップ NRWSへ

青木茂樹

神経放射線ワークショップ 代表幹事
青木茂樹

NRWSへようこそ。NRWSは“日常から離れた環境において、その道のエキスパートが一同に会し、教科書では得られないNeuroradiologyの知識と経験を披露し合い、伝授する会”と考えています。また、“よく学びよく遊べ”の会と勝手に思っています。

さて、私から見たNRWSの魅力を少し語らせていただきます。NRWSには、研修医1年目の1984年と留学中の1988年、あと2016年を除き、すでに30回出席しています。私にとって、勉強しながら遊べる(飲める)というところが肌に合っており、他の施設の先生方と真剣に勉強した後に飲みながらホッとお話しできるというのが大変な魅力でした。温泉地では露天風呂でその日の症例について話しました(嬉野温泉の露天風呂からの川が流れる風景は最高でした)。また、あまり面識のない方と同室になるのも、“合宿”らしく、実際に他施設の多くの先生と親しくなれたと思います。血管造影でintraaxialとextraaxialが分からないと発言できずくやしかった80年代、MRIの撮像法でやっと発言できるようになった90年代、大場先生や下野先生のお陰で難しい疾患の診断とdiscussionが飛躍的に向上して発言することができず一観客となった00年代と、症例呈示のセッションへの私の参加態度も変わりましたが、その年の最もよい症例を見せ合う会というコンセプトは本当に楽しかったと思います。Neuroradiologyを愛する人の同好会だったと思います。

NeuroradiologyはRadiologyから発生した最初のsubspecialtyです。2012年の米国神経放射線学会は50周年を記念してNew Yorkで行われました。他の分野ではこれほど古いsubspecialtyの会はありません。このNRWSも、35回を超える歴史ある会ですが、最近では、Neuroradiologistとその卵だけでなく、神経放射線の知識が必要なので勉強したいという方も多く来られる会となっています。学術学会として研究が主体の日本神経放射線学会の放射線科医の参加数より、即戦力になるNRWSの参加数が多いこともあるようです。同好の会から知識を伝授する(取得する)普通の勉強会へと変貌しつつあるのだと思います。今後も変化していくかと思いますが、同好の者同士の合宿の雰囲気はできるだけ残ればよいと思っております。

最後になりましたが、90年代から20年ほど病理のコメントを頂いてきた平戸先生、第1回より30回まで全面的に、その後も大いにお世話いただいているバイエル(旧シェーリング)をはじめとする企業の方々にも、紙面を借りて感謝いたします。

では、NRWSでよく学び、よく遊びましょう。

平成29年6月