NRWSとは
ご挨拶
神経放射線ワークショップ 代表幹事
鈴木 通真(順天堂大学医学部附属浦安病院 放射線科)
神経放射線ワークショップ(NRWS)は、長い歴史の中で、日本の神経放射線診断を支えてきた伝統ある研究会です。
本ワークショップの最大の特徴は、全国から持ち寄られた厳選された症例について、画像所見のみならず病態や治療まで含めて徹底的に議論することにあります。一つの症例を多くの専門家が真剣に考え、異なる視点から議論を重ねるこの形式は、世界的に見ても極めて稀であり、NRWSならではの大きな魅力です。
近年、画像診断技術やAIは目覚ましい進歩を遂げています。しかし、そのような時代だからこそ、一枚一枚の画像と真摯に向き合い、自ら考え、多様な意見に触れながら診断力を磨く場の重要性は変わりません。本ワークショップは、そのような「考える神経放射線医」を育てる場であり続けたいと考えています。
もう一つ、NRWSの大きな財産は「人とのつながり」です。
コロナ禍ではオンライン開催を余儀なくされた時期もありましたが、現在は対面で参加される先生方も再び増え、会場には活発な議論と交流が戻ってきました。オンラインには距離を越えて参加できる利点がありますが、対面だからこそ生まれる出会いと交流は何ものにも代え難いものがあります。
出題者と回答者が一つの症例を介して真剣に議論し、その議論が新たな交流や共同研究へと発展していくことも少なくありません。全国各地で活躍する先生方が、一つの症例をきっかけに互いを知り、学び合い、生涯にわたる仲間となる──そのような場は決して多くはありません。
私自身も、医師になって間もない頃にこのワークショップで知り合った先生との交流が、現在まで続いています。症例を通じて築かれたご縁が、その後の診療や研究、そして人生を豊かにしてくれることを身をもって実感しています。
これまで本ワークショップを築き上げてこられた諸先生方への敬意と感謝を胸に、その伝統を未来へ受け継ぎながら、若い世代にも「参加して良かった」と感じてもらえる場を育てていきたいと思います。これまで受け継がれてきたNRWSの精神を大切にしながら、新しい時代にふさわしい学びと交流の場へと発展させ、国内のみならず世界に誇れる神経放射線ワークショップとして、その価値をさらに高めてまいりたいと考えています。
皆様の積極的なご参加と活発なご討論を心よりお待ちしております。
前代表幹事よりご挨拶
神経放射線ワークショップ 前代表幹事
青木 茂樹
NRWSへようこそ。NRWSは“日常から離れた環境において、その道のエキスパートが一同に会し、教科書では得られないNeuroradiologyの知識と経験を披露し合い、伝授する会”と考えています。また、“よく学びよく遊べ”の会と勝手に思っています。
さて、私から見たNRWSの魅力を少し語らせていただきます。NRWSには、研修医1年目の1984年と留学中の1988年、あと2016年を除き、すでに30回出席しています。私にとって、勉強しながら遊べる(飲める)というところが肌に合っており、他の施設の先生方と真剣に勉強した後に飲みながらホッとお話しできるというのが大変な魅力でした。温泉地では露天風呂でその日の症例について話しました(嬉野温泉の露天風呂からの川が流れる風景は最高でした)。また、あまり面識のない方と同室になるのも、“合宿”らしく、実際に他施設の多くの先生と親しくなれたと思います。血管造影でintraaxialとextraaxialが分からないと発言できずくやしかった80年代、MRIの撮像法でやっと発言できるようになった90年代、大場先生や下野先生のお陰で難しい疾患の診断とdiscussionが飛躍的に向上して発言することができず一観客となった00年代と、症例呈示のセッションへの私の参加態度も変わりましたが、その年の最もよい症例を見せ合う会というコンセプトは本当に楽しかったと思います。Neuroradiologyを愛する人の同好会だったと思います。
NeuroradiologyはRadiologyから発生した最初のsubspecialtyです。2012年の米国神経放射線学会は50周年を記念してNew Yorkで行われました。他の分野ではこれほど古いsubspecialtyの会はありません。このNRWSも、35回を超える歴史ある会ですが、最近では、Neuroradiologistとその卵だけでなく、神経放射線の知識が必要なので勉強したいという方も多く来られる会となっています。学術学会として研究が主体の日本神経放射線学会の放射線科医の参加数より、即戦力になるNRWSの参加数が多いこともあるようです。同好の会から知識を伝授する(取得する)普通の勉強会へと変貌しつつあるのだと思います。今後も変化していくかと思いますが、同好の者同士の合宿の雰囲気はできるだけ残ればよいと思っております。
最後になりましたが、90年代から20年ほど病理のコメントを頂いてきた平戸先生、第1回より30回まで全面的に、その後も大いにお世話いただいているバイエル(旧シェーリング)をはじめとする企業の方々にも、紙面を借りて感謝いたします。
では、NRWSでよく学び、よく遊びましょう。
平成29年6月
